症例詳細
No.175 原田病(フォークト小柳原田病、ぶどう膜炎)
50歳の家内のことです。なんだか耳鳴りがするとか頭痛がするとか言っていたと思いましたら、翌日目が充血して霞むといって眼科にかかりました。ぶどう膜炎と言われ、近くの病院の眼科を紹介されて、入院しました。毎日点滴をしました。
結局、「原田病」と診断されました。どういう病気なのでしょうか。もう1か月も経ちます。退院できたのですが、まだ少し見えにくいと言っています。完全によくなるのでしょうか。(57歳夫)
ぶどう膜とは、眼球の後ろ側2/3を覆い血管と色素に富む組織です。ぶどう膜に炎症がある状態をぶどう膜炎と呼びます。ぶどう膜炎は、たくさんの病気の総称です。半数には分類ができる名前がついていますが、残る半数は原因不明です。病名がつけられるもののうちでは、とても頻度の高い病気が原田病です(発見者の名前にちなんでフォークト-小柳-原田病とも呼ばれます)。
自己免疫疾患とされています。原田病は、患者さんのように、眼の病気が発症するまでに耳鳴りや難聴・めまいなどの耳の症状や発熱や全身倦怠感といった感冒様症状が出ることがよくあります。そのあと、目の充血やかすみ目、ゆがみや視力低下が出現します。病気の主体はぶどう膜の色素細胞にあり、網膜に炎症が波及します。このために網膜に強いむくみが出現し、ゆがみや視力低下を自覚します。
治療方法は、ステロイド薬です。炎症が強い場合には、点滴でステロイドを注入し、次第に内服に切り替えます。ぶどう膜の色素細胞がすべて障害されるまで、眼の炎症が続くと考えられています。再発して強い炎症がまた起こる以外にも、慢性的に炎症反応が続くことが多いです。
色素細胞が障害されるため、白髪以外にも、眉毛や睫毛に白い毛が増えたり、皮膚に白斑が出現したりすることがあります。ぶどう膜炎が慢性化するために、白内障や緑内障などの合併症が生じやすいです。原田病そのものが原因で最終的に失明したりするような重症な病気ではありませんが、慢性化しやすいために、治療や経過観察が数十年になることが多いです。
2026年10月