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症例詳細

No.174  ハードコンタクトレンズと角膜乱視

学生の頃からの強度近視で、数十年来ハードコンタクトレンズをしていました。ただ、最近コンタクトレンズのケアも面倒になってきました。また、装用感もあまり我慢が利かなくなって、メガネを多用するようになりました。

最近メガネがあまりよく見えなくなってきて、正しい眼鏡の処方箋を希望して眼科に行きましたら、コンタクトレンズを毎日使っている時と、めったに使わないときではメガネの度数が変わってくると言われました。そんなことってあるのでしょうか。どういう意味なのでしょうか。(47歳女性)

ハードコンタクトレンズ(以下HCLと略します)は、文字通り硬いプラスチック類似の製品です。これを角膜の上に載せると、もともとの乱視が矯正されます。乱視というのは角膜のひずみが作ります。つまり、HCLにより角膜のひずみが矯正されてしまうということです。ヒトの眼は全く乱視がない場合は少なく、程度の差はありますがある程度の乱視があるのが普通です。

日長時間HCLをしていた場合には、角膜は乱視の少ないつまりひずみの少ない状態になっていて、もともとの乱視つまり角膜のひずみに戻るのには、正確には1か月以上のHCL中止期間が必要になります。ですからご相談者が、今まで通り毎日HCLを装用する場合には、中止期間を作らずにメガネ処方箋を発行してもらう検査をすべきです。

一方でもうHCLはほとんど使わないということであれば、1か月以上中止期間を経てからメガネの装用試験をしてもらうほうが正確なメガネが出来ます。このような理由からHCLを時々使うという場合には、難しいです。HCLを外した直後がよく見えるメガネを作りたいということであれば、HCLを外した直後に検査し、HCLをずっと中止にしていても使えるメガネを作りたいのであれば、最低でも2週間はHCL装用を中止にしたうえで眼科へ行くのがよいと思います。

またご相談者の場合には、老視が問題になる年齢ですので、遠くと近くと両方がよく見えるようにするという意味では、難しくなっていきます。HCL装用者の角膜への影響は、HCL常用者が白内障手術を受ける際にも、問題になります。手術後には永久にHCLをしなくなるために、手術後の見え方を正確にするには、術前検査を行う最低2週間前からHCL中止の期間を作らねばなりません。もともと乱視がとても少ない方はあまり問題にならないのですが、乱視がある程度あった方は、HCLがかなり角膜に影響しますことを覚えておいてください。