症例詳細
No.173 20−20−20
小学校4年生の男の子です。外で遊ぶことはあまり好きではないようで、家に閉じこもってゲームばかりしています。学校から視力低下を指摘されて、眼科を受診しましたら、その先生から20分近くを見たら、20秒間どうのこうのと言われ、20−20−20を覚えるように言われました。20−20−20って何ですか?
20−20−20とは、20分間ゲームをやったり本を読んだりするなど、近くを見る事をやり続けた場合には、20フィートつまり6mの距離の指標を、20秒間凝視しなさいという教えです。
古くからある理屈としては、近くを見続けると毛様体筋というピントを調節する筋肉が凝り固まってしまい、戻らなくなるつまり今までよりも近視の状態が強くなってしまうと考えられていました。
最近では、近くの距離のものに網膜の中心部分でピントが合っている状態では、網膜の周辺部分ではピントが合っていないために全体としては目の長さが伸びてしまい、その結果近視が進んでしまうと考えられています。理屈は少し難しいですが、近くにピントを合わせた状態を長く続けることは、近視を進める原因になるということに違いはありません。
ある団体では、この20分を30分として、30−20−20(もしくは30-30-30)としているポスターなどを見かけますが、同じ意味ですから、20−20−20で良いと思います。毎日の生活で、実践していただければ近視進行予防には効果があると思います。近視進行予防にはいくつかの方法ありますので、これ以外の方法もご検討ください。
2025年07月