症例詳細
No.171 新型コロナウイルス感染症・ワクチンと目の病気
2020年には新型コロナウイルス感染症が蔓延してしまいました。新型コロナウイルスは、眼から感染しますか。また、結膜炎が起きると聞きました。マスクはしていますが、うつらないようにしたいです。どんなことに気を付ければよいでしょうか。ワクチンを打って眼の病気が出ることがありますか。(42歳、女性)
新型コロナウイルスは結膜から感染する可能性があります。新型コロナウイルス感染者の咳やくしゃみなどが眼に飛び込んでしまった場合には、感染してしまう可能性があります(ただし、眼からうつる可能性は高くはないと考えられています)。したがって、新型コロナウイルス感染症を発症している方と同居する場合や、医療従事者など患者さんに接触する機会が多い方は、マスクが有効な口や鼻に加えて、眼も防護することが推奨されます。
顔との隙間が少ないタイプの保護メガネやフェイスシールドなどです。感染対策については、このQ&AのNo.161もご参考にしてください。結膜炎以外にも目の病気が起こることがあるようですが、詳しいことはわかっていません。また、ワクチンをしてはいけない目の病気はないように思いますが、ぶどう膜炎や急性緑内障発作など急激な症状が起きた直後にワクチンを打つのはよくないと思います。これは、ワクチンによって眼の病気が誘発されるような報告があるからです(詳細はよくわかっていません)。
ワクチンを打ったことによって眼の病気が出たのか、全く無関係なのかどちらがわからなくなってしまうので、急性期にワクチンを打つことはなるべく控えましょう。前述しましたように確実なことはわかりませんが、ワクチンによる副反応として眼の病気が出ることもありうるようですから、ワクチンを打たれた後に目の不調があれば、早期に眼科受診もするべきかと思います。
2025年07月