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症例詳細

No.165  ポスナー・シュロスマン症候群

  先日、急に目が霞んできて、重だるくなりました。近くの眼科を受診したところ、ぶどう膜炎の一種で、ポスナー・シュロスマン症候群といわれました。その時には、続発性緑内障になっているという判断のもと、飲み薬と目薬で何ともなくなりました。またなることがあるといわれたので、心配です。どんな病気なのでしょうか。詳しく教えてください。(30歳男)

 ぶどう膜炎というのは、眼球を前側から後側まで包んでいる血管膜の組織の炎症です。ぶどう膜炎は様々な原因があり、ポスナー・シュロスマン症候群は教えていただいているようにその一つです。ぶどう膜炎の原因としてとても多いものではありませんが、20~50代に多く、やや男性に多いとされています。

 急に発症しますが、眼の前側の炎症のみであることが一般的で、硝子体や網膜には炎症が及ぶことはあまりないと考えられています。一過性のことが多く、ぶどう膜炎の中ではどちらかといえば軽症に入る性格の病気と私は思います。眼圧がかなりの高さになりますが、治療によりすぐに改善することが多く、後遺症を残すことは少ないとされています。多くの場合、片眼性です。

 眼圧をすぐに下げられない症例では、続発性緑内障として視神経障害つまり視野の障害が残ることがありますが、多くはありません。本症の多くは一過性ですが、中には再発する方がいらっしゃいます。原因はウイルスではないかと推測されていますが、よくわかっていません。点眼薬によく反応してすぐに治ることが多い病気ですが、ウイルス性のぶどう膜炎と見分けがつかないこともあります。