症例詳細
No.162 まばたきのやり方(涙を増やす)
ドライアイで、1年ほど近くの眼科に通院しています。重症ではないといわれていますし、ゴロゴロしたり開けていられないほど痛かったりすることはないのですが、乾燥感が強くて疲れやすいです。特に冬になると、乾燥を感じやすくなって、不快です。眼科医さんからは、瞬きをよくしなさいと言われるので、目薬を差した時には、何度もまばたきをしています。目薬を差した時だけは、とても潤った感じになるのですが、すぐに乾いてしまいます。どんな風にまばたきをすれば良いのでしょうか。 (65歳女性)
とても良い質問です。まばたきは、ヒトは通常約2秒から8秒に1回ほど、無意識にまばたきをしていると言われています。ただし、コンピューター画面や、最近ではスマホの画面などを見ている場合には、10秒を超えてまばたきをしていないことも多く起こっています。健康な目では、10秒間まばたきをしなくても、涙の層がクロメ(角膜)を守っていて、これを涙膜(るいまく)と呼びます。
ドライアイの場合には涙膜が早く壊れてしまうことがわかっています。壊れてしまうと、クロメに傷がつきやすくなり、乾燥感や疲れやすく感じたり、重症になれば、ゴロゴロやチクチクといった異物感を感じたりします。まばたきをすると、一度は涙膜が再生されますので、私は3秒に1回程度のまばたきを推奨しています。これは、目薬を差した後にするのではなくて、いつでも意識的にまばたきをしてほしいという意味です。目薬をつけた後は、しばらく目を閉じている方がよく、瞬きを頻繁にすると、早く目の中から排出されてしまい、目薬の効果がなくなってしまいます。
また、まばたきで瞼が完全に閉じ切らない方も、いらっしゃいます。したがって、3秒に1回のまばたきはちゃんとしっかりつぶるように、つまりやや長めの時間つぶっているような感じでまばたきをしてください。眼を閉じて0.3秒ほどつぶったままにしておく感じです。強くつぶりすぎてはいけません。強いまばたきを続けていると、結膜弛緩症という病気を作ってしまう可能性があります。やさしいまばたきを3秒に1回程度、わずかに長くつぶったままにするようなまばたきを、してください。できる限りでよいですが、パソコン画面やスマホ画面を見ているとき、集中して見つめているようなときほど、わざとまばたきを入れるようにしてください。
2024年12月