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症例詳細

No.146  眼脂(メヤニ)とその鑑別 

先日子供の眼が赤くなってメヤニがたくさん出たので、近くの眼科を受診しました。急性結膜炎ということで、細菌が原因とのことでした。その時に子供から「メヤニって何?」と聞かれうまく答えられませんでした。

メヤニとはもともと何なのでしょうか?いろいろなメヤニがありますが、その違いで病気がわかりますか?(小学3年生の母親)

メヤニは、涙液(いわゆる涙)に、角膜や結膜由来の上皮細胞、血管からの浸出物や炎症細胞、微生物、異物などが、混じりあって作られます。つまり、炎症や微生物があまり関与しなくても、皮膚をこすれば誰しも垢が出るように、少量のメヤニは出ているのが普通ともいえます。微生物や異物がやってくると、これに対抗するように白血球が増えて治そうとする働きが起こります。このために、いろいろなメヤニが出ることになります。

一般的には、①涙液に近いようなものを「水溶性」と呼び、ウイルス性結膜炎に特徴的と言われます。②糸状で純白のものを「粘液性」と呼び、アレルギー性結膜炎やドライアイで増えるメヤニです。③膿(うみ)のようなクリーム状のものを「化膿性」と呼び、淋菌や黄色ブドウ球菌など比較的強い細菌による化膿性結膜炎に特徴的です。④黄緑色の汚いものを「粘液膿性」と呼び、多くは冬季に感冒に続発して小児に見られる急性細菌性結膜炎(インフルエンザ菌)やクラミジア結膜炎に見られやすいとされています。

教科書的にはこの4つに区別するのが普通ですが、ウイルス性結膜炎に細菌性結膜炎が合併している場合も多いとされますので、うまくあてはまらない場合もあります。症状がある場合には、メヤニで自己判断するのではなく、眼科を受診してください。