疾患Q&Aトップに戻る

症例詳細

No.145  結膜嚢種(結膜のできもの)

48歳の主婦です。一ヵ月ほど前に右目に何となく違和感を自覚し、鏡を見ましたら、クロメの脇に水疱ができています。赤くはなくて、指で触るとプヨプヨしていて、水が溜まっているように思いました。

眼科へ行った方がよいでしょうか。何という病気でしょうか。目薬で治りますか。それとも手術しないといけないのでしょうか。(48歳、女性)

「結膜嚢胞」かもしれません。クロメの周りのシロメや瞼(まぶた)との境目のシロメの皮(結膜組織)に、半球状・ドーム状の腫瘤ができるものです。良性腫瘍に属します。あまり強い痛みや強い異物感は出ないことが多いです。単発のことが多いですが、中には多発性・多房性のものがあります。特に原因がなくてできる場合と、目のケガや手術をした後にできる続発性の場合とがあります。自然に治ってしまう(見た目上わからなくなってしまう)場合もあります。

内容物は透明の液体の場合が多いですが、まれに出血して赤いこともあります。点眼で治療しても消失してしまうことはあまりありません。針で穿刺すると中の水溶液が出てきて一時的には消失しますが、再発することが多いです。肉眼的には同じようでも、結膜嚢胞ではなくて、別の腫瘍の可能性もありますから、まずは正しく診断してもらってください。

違和感が強くなく、見た目上も小さくて気にならない場合には、炎症止めなどの目薬を使用するなどして様子を見てもらうのがよいと思います。とても気になったり、目立ったりするようであれば、摘出することをお勧めします。続発性でない「結膜嚢胞」であれば、嚢胞壁を破らずにきれいに摘出できることが多いです。そうなればほぼ再発しません。運悪く破れてしまうと再発することがあります。