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症例詳細

No.143  眼窩脂肪ヘルニア

 私の父親の眼のことです。両目ともなのですが、最近くろめの横のシロメが盛り上がってきています。本人に聞くと、なんともないというのですが、見た目は明らかに変です。

 腫瘍なのでしょうか?目を動かしてもらうと問題ないですし、見え方には変化がないと本人は申しております。薬で治すことができますか。手術しないとだめでしょうか。(40歳、娘)

 眼窩脂肪ヘルニアかもしれません。ヒトの身体にはあちらこちらに脂肪が分布しています。眼球は、筋肉と脂肪組織などと一緒に、眼窩という四角垂のような形をした骨に囲まれています。眼球の後ろ側には、かなりの量の脂肪組織があります。本来位置しているのは眼球の後ろ側が主体なのですが、この脂肪組織を隔てている結合組織が緩んで、脂肪組織が前側に移動してきたものが、眼窩脂肪ヘルニアです。好発部位としては、眼球の耳側部分、クロメ(角膜)の耳側で、結膜というシロメの最表層の下側です。つまり、クロメの耳側部分にシロメが大きく膨れ上がったような形になります。見た目上あまり充血はなく、眼球運動制限も起こしません。強い痛みも感じません。大きくなると外側を向いたときに視界に入って見え方が気になったりする以外には、軽度の異物感を感じる程度の症状です。外見上(整容上)の問題が一番多い訴えです。

 治療方法としては、残念ながら目薬や内服薬で治ることはまずありません。治すとすれば、手術治療になります。はみ出してきた脂肪組織を切除摘出します。入院の必要はなく、強い痛みを覚えずに終了できます。外見上がとても気になれば、手術をすることをお勧めします。ただし、美容上気にならず、異物感も感じなければ放置しておいてもよい病気です。まずは、眼科を受診して、正しく診断してもらってください。

2019年05月