症例詳細
No.141 緑内障手術とは
緑内障で近くの眼科に通院しています。3年ほど通っていて4種類の目薬をつけていますが、眼圧の下りがあまり良くなくて、手術を勧められています。
今は見なくて困るということは無いのですが、検査の結果を見せられると確かに悪化しているようです。見え方が良くなることはないという説明や色々な手術方法があって、受けるべきか悩んでいます。どうすればよいでしょうか?(59歳、男性)
緑内障手術は目まぐるしく進歩してきています。まずレーザー手術か観血手術かに別れます。前者のうち急性発作予防の手術は行うことが少なくなりました。進行予防のためのレーザー手術は短時間で済み術後の管理も難しくありませんが、効果(眼圧が下がる量)が大きくはなく、また3年以上経つと効果が弱くなることが多いです。
通常2回はできますから、試してもよいかもしれません。観血手術は侵襲が少ないものが増えてきました。眼の中の水(房水と言います)の出口にあたる線維柱帯という組織を切開するタイプはいくつかに別れます。後に説明する手術よりは効果が弱いですが、初めて緑内障手術を受ける方にはお勧めだと思います。
これも効果が数年で薄れてきます。最後に濾過手術と呼ばれる新しく房水の通り道を作る手術があります。もっとも効果が高いですが、他の手術に比べると術後の管理に少しだけ手間がかかったり、合併症の出る割合が高くなったりします。それでも技術の進歩により、とても安全になりました。他にもいくつかの手術があります。ご指摘のように緑内障手術は、見え方が良くなることはあまりありません。
しかし、目薬や飲み薬でも進行してしまう場合には、必要となります。緑内障の手術にはそれぞれに利点と欠点があります。手術を受けたらそれで終わりということはあまりありません。ですから、担当の先生に現在の緑内障の状態と進行スピード(手術を受けない場合に将来の見え方の進み具合)についても詳しくお聞きになってから、ご自身で最終判断するのがよいと思います。
2019年03月