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No.115  遠近両用かそれとも別々にメガネを二つ持つべきか?

52歳のサラリーマンです。普段は近眼のメガネをかけています。メガネをかけてしまうと遠くは見えるのですが、近くが見にくいです。

ただメガネを外すと物をかなり近くに持って来ないと見えにくいために、遠近両用メガネを買おうと思っています。遠近両用を買うのと別々に買うのとでは、どちらが良いのでしょうか?(中年男性)

眼の状態が遠視であったり近視や乱視があったりすることにより、裸眼の見え方が違うので言葉では伝えにくいのですが、大まかに言えばどちらも必要です。学生さんが講義を受けるように、黒板を見てそれをノートにとる、つまり遠くを見て直ぐに近くを見るということを頻繁に繰り返すには、遠近両用メガネが必要です。

一方車を運転し続ける場合や舞台やお芝居や映画館などで観劇もしくは鑑賞する場合には、遠用単独の方が見易いです。また、本を長時間見続けたり編み物やパズルなどを長い時間おやりになったりする場合には、近用単独のメガネ(いわゆる老眼鏡)が絶対お勧めです。遠近両用眼鏡でも、近くを見ることはできますが、ピントの合う範囲が狭いのです。遠近両用眼鏡では、視線を動かすには顔ごと動かさなければならなくなるので、ずっと近くの作業をし続ける場合には疲れやすくなります。

遠用眼鏡、近用眼鏡、遠近両用眼鏡の3つを全て持っていると良いでしょう。その3つを作った後に、中近眼鏡や近々眼鏡をお作りになるのが良いと思います。遠視の方が、中年以降初めて眼鏡を作るときには、近用鏡(老眼鏡)を作るのではなく、遠視のための遠用眼鏡を作るべきです。遠近両用眼鏡の中には、多く普及している累進屈折力レンズのほかに、エグゼクティブタイプと呼ばれている中央に線があり焦点が真に二分されているレンズがあります。

見かけはあまりよくないです(近年は見かけもよいです)が、このレンズはとてもお勧めです。私(55歳)もとてもよく使っています。その他、眼鏡が必要と思ったときに眼の病気が見えにくさの原因のこともあるため、眼鏡を作る前には必ず眼科を受診してしっかりとした診断と眼鏡についての指導をしてもらってください。