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症例詳細

No.106  病的近視による脈絡膜新生血管

学生時分から近眼が強くて、ハードコンタクトレンズをしていました。先日、急に右眼の中心が見えにくく歪んでしまいました。一部分に見えないところもあります。近くの目医者さんに診てもらったところ、眼の底の中心部分に出血しているとのことでした。目の中にお薬を注射する治療が必要と言われ、大きな病院への紹介状をもらいました。どんな病気なのでしょうか。

私の眼は治るのでしょうか。もともと眼鏡をかけてもよく見えない眼で、コンタクトレンズが頼りだったのですが、今後もコンタクトレンズをつけられるでしょうか。もう片方の眼もなってしまうのでしょうか、心配です。(42歳女性)

近視が強い方にはいくつかの眼の病気が出やすくなります。眼球自体の前後径が長くなることによる解剖学的な変化が病気の要因と考えられています。強度近視の人の約1割程度に、網膜の下の組織である脈絡膜から、新生血管という通常は存在しない血管が作られてしまいます。

これを脈絡膜新生血管と呼び、そこから出血することにより見えない部分や歪みなどが出現します。そのまま放置しますと視力障害が残りやすく、数年後には当初よりも悪い状態になってしまうといわれています。

ご質問者の病気はこれに相当すると思います。数年前までは有効な治療法がなかったのですが、現在はお勧めされたように血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害薬というものを、眼の中に注射すると効果があることがわかってきました。通常は1か月おきに3回行い、しばらく様子を見るというやり方が一般的です。

また、コンタクトレンズは、注射前後に一時的にやめたほうが良い場合がありますが、今後もずっとはめられなくなってしまうわけではありません。強度近視による脈絡膜新生血管が両眼性になる方は、私の調べた範囲では、15%程度のようです。治療に専念して、時々は良い眼のほうもしっかり検査してもらうことをお勧めします。

2016年03月