症例詳細
No.93 雪眼(ゆきめ)と電気性眼炎
先日スキーをしに出かけたのですが、滑った日の夜中眠れないほど目が痛くなりました。救急病院で診てもらったところ、「雪眼」と言われました。スキーをした日はお酒を飲んだのですが、よくなかったのでしょうか。
その日は、眼帯をして帰って、朝から処方された目薬を使っています。今日はだいぶ良くなったのですが、「雪眼」はどうして起こるのでしょうか?ゴーグルをしないで滑ったのが悪かったそうですが、ゴーグルを持っていき忘れたときはどうすればよいでしょうか。教えてください。(28歳男性)
紫外線が眼にあたると、かなりの部分が角膜で吸収されます。この紫外線に細胞を傷害する作用があります。紫外線による角膜障害のうち、スキー場などの雪による紫外線障害を「雪眼」、溶接作業など人工的な紫外線による角膜障害を「電気性眼炎」と呼びます。
どちらも短時間に多量の紫外線を浴びたことによる角膜上皮障害です。紫外線は夏より冬に少ないのですが、雪面は反射する紫外線量がとても多いために起こりやすいです。もちろん夏の海水浴でも起こります。主に砂浜や水面からの太陽光の反射によると考えられています。
スキーをするときにはゴーグルは必要ですが、サングラスでもある程度は防御できます。眼との隙間が少ないものを使用してください。保護眼鏡なしで、多量の紫外線を浴びてしまったり溶接作業を行ってしまったりした場合には、角膜障害が起こりえます。
飲酒をすると炎症が強くなるので、「雪眼」や「電気性眼炎」がおきた場合にはアルコールは避けた方が無難です。強い痛みは、冷やすとよいですが、温めると悪化します。したがって飲酒以外でも激しい運動をしたりサウナで暖まったりすると眼痛が増悪する可能性があります。注意してください。
2015年02月