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症例詳細

No.87  急性緑内障発作への予防

62歳の母親が近所の眼科に白内障で通っています。先日いつものように受診した際、急性の緑内障発作になる可能性について話があったそうです。

さしあたって目の痛みや充血などが出た時にはすぐに眼科を受診することと、近い将来早めに白内障手術をするかレーザー手術をしましょうと言われました。発作時はどうしたらよいでしょうか。予防手術は受けたほうが良いでしょうか。 (32歳娘)

急性緑内障発作は、急激に眼圧が上がって発症する緑内障のことで、充血や眼痛・頭痛、視力低下などが主な症状です。時には腹痛も起こり、身体の病気と間違われて内科に入院してしまい発見が遅れることがあります。急性緑内障発作は、直ちに手術すれば元どおりになることもありますが、数日間放置されると失明してしまうこともあるほど、高率に重篤な後遺症を残すことが多い病気です。

遠視があって目の前後計(眼軸長)が短い方がなりやすい傾向があります。予防としては、以前はレーザーで虹彩に穴を開ける手術が一般的でしたが、最近はその先生が勧めてくださったように白内障が軽症でも白内障手術をするやり方も増えてきました。

水晶体を摘出してしまうことで、緑内障の発作が起こりにくくなります。まだ年齢が若い場合で、調節力があり、白内障もあまりない場合にはレーザー手術も悪くないと思います。レーザー手術であれば数分で済みますし、痛みもほとんどありません。ただし、レーザー手術は数年~十年以上経過してから水疱性角膜症という病気が発症することがありますので、注意が必要です。

いずれにしましても手術治療であることに変わりはありませんので、利点と欠点をよく説明してもらってから、予防手術を受けるかどうかお決めになってください。比較的郊外にお住まいで、症状が出てから眼科を受診することがすぐにできない場合には、手術を受けておいたほうが良いと思います。