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症例詳細

No.83  乱視(らんし)って何ですか?

小学校1年生の男の子です。学校の視力検査で異常を指摘されて、受診のお勧めをもらってしまいました。すぐに校医の先生のところで検査すると「近視性乱視」とのこと。少し乱視が強いそうですが心配いらないと言われました。メガネはまだ不要とのことでした。

昔からよくわからないのですが、乱視ってなんですか?二重に見えてしまうことですか?放置していて進行するということはないのでしょうか?(30歳女性)

乱視は言葉で書きますと少し難しいですが、まずものが見える仕組みを想像してください。物体の像が自分の眼の奥底にある網膜に焦点を結びます。子供の頃、太陽の光を虫メガネで集光させて黒い紙を燃やしたイメージです。虫メガネが太陽に正しく垂直になっていて、紙に小さい丸い光が集められればよく紙が燃えましたね。

一方集められた光が紙に斜めに当たると、光は丸くなく楕円形だったり小さな金魚のような形になったりします。こうなると紙は燃えません。これが乱視の状態です。つまり直交する2つの光で考える(十字架のような光を想像してください)と、縦方向の光が正しく網膜に集光しても、横方向の光がピンボケになっているような状態のことです。全体としての焦点が網膜より手前にあると「近視性乱視」、網膜より後ろにあると「遠視性乱視」となります。

人間の眼でレンズの役割をしているのは角膜と水晶体ですが、角膜の方が役割としては大きいので、人の眼の乱視の多くは角膜が作り出す角膜乱視です。もちろん水晶体脱臼や白内障など、水晶体の病気でも乱視は起こり、その場合には水晶体乱視と呼びます。近視性乱視では遠方にある物体の像がダブるような感じに見えたりはっきり見えなかったりします。角膜乱視は程度の差こそあれ、誰でもあるようなもので、病的な乱視でなければ心配ありません。

ただ、角膜乱視はゆっくりですが一生変化し続けるともいわれています。眼科で精密検査して円錐角膜(Q&A No.70を参照)などの角膜疾患や他の病気がないか見てもらっていればよいと思います。レーシックなどの近視矯正手術では、数年たってから円錐角膜と同じような病気が起こることがありますので、注意してください。

2014年04月