症例詳細
No.63 星状硝子体症
健康診断で眼科の項目に精密検査が必要とされ、眼科を受診しました。すると、星状硝子体症(せいじょうしょうしたいしょう)と言われました。眼の中に黄色いものが多数あると言うこと ですが、そのまま放置してよいと言われました。
自分自身は、見にくくもありませんし、全く自覚症状はありません。眼の中の写真を見せていただきましたところ、黄色い物質が無数にあって なぜ見えにくくないのか疑問に思うほどでした。原因は何でしょうか。治療法を考える必要はないと言われましたが、何か気をつけることはありますか?(55歳、男性)
星状硝子体症とは、硝子体(水晶体の後ろから網膜までの間のスペース)に、カルシウム(リン酸塩)を主体とする結晶が、無数に浮遊した状態です。眼を動かすと硝子体ゲルが動きますので、 この黄色いつぶつぶも動きます。光で照らして診察すると、この硝子体内の混濁が満点の星空の様に見えることから、星状硝子体症の名前があるとされています。
原因はわかっていませんが、 糖尿病や高脂血症との関連があるとする報告もあります。しかし、そうでないとする意見もあります。片眼性のことが多いですが、両眼性の方もいらっしゃいます。稀な病気ではなく、人口の 2000人に1人~200人に1人いると言われています。
その先生がおっしゃるように治療の必要はありません。自覚症状もほとんどないことが多いです。注意する点は、他の病気、例えば糖尿病 網膜症や網膜上膜(この携帯サイト原稿Q&ANo.33を参照)などで、硝子体手術が必要になった場合には、その手術は少し難しくなるということです。
これは、星状硝子体症の方の 硝子体は、年齢で起こる変化が起きにくいためです。それ以外は、特に気にする必要はありません。自然に消えてしまうことはないようで、眼底写真をとられると、その度に要精査となる 可能性がありますが、特に心配ありません。
2012年08月