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No.24 遠視って何ですか?
最近目が疲れて見えにくくなりました。1年ほど前から近くが見えにくくなってきて、老眼の始まりだと思い、メガネ屋に行ってメガネを作りました。近くはメガネをかければ見える のですが、裸眼では遠くも近くもよく見えなくなってきました。
眼科で見てもらったところ、遠視と言われ、常時メガネをかけている必要があるといわれました。遠視って何ですか? よく見える目とは違うのでしょうか?時々メガネをかけるのではダメでしょうか?(43歳女性)
近視いわゆる近眼の方がわかりやすいので先に説明します。近視では遠くのものがよく見えません。遠方の物体は網膜(カメラのフィルムに相当する部分)より手前で焦点を結んでしまう ためです。ですから、近くの物体では焦点が合い、よく見えます。これに対して、遠視は、焦点を結ぶ位置が網膜より後ろにあるため、遠くの物も近くの物もよく見えません。
ただし、 読書をする時のように調節という機能を無意識で行いますから、軽い遠視の場合には、遠くの物はよく見えます。しかし、遠方を見る時からすでに調節を使ってしまうので、近くの物を 見るときには調節能の限界が来てしまい、近くがよく見えないということになります。
つまり軽度の遠視では、どちらかというと遠くがよく見え、近くが先に見えなくなるので、 老眼が早く来たように感じます。強度の遠視では、近くも遠くもよく見えないため、子供のうちからメガネを常用するようになります。ご相談者の場合には、比較的軽度の遠視と 考えられます。調節力の旺盛な成人以前は自慢するほど遠くがよく見えていたかもしれませんね。医師に勧められたように遠視の眼鏡を常用するのがよいです。そうすればしばらく 老眼鏡(近用鏡)を必要としないと思います。
この遠用鏡は常用せずに時々掛けるのはお勧めしません。常用しにくくなりますし、かけていないときには、絶えず調節力を使うことを 余儀なくされるため目が疲労しやすくなり、頭痛や肩こりの原因にもなります。
2022年11月