症例詳細
No.22 眼に良い食べ物
仕事で1日中パソコンを見ています。最近、遠くも近くも見えにくくなってきたので、友人に相談したところ、ブルーベリーのドリンクを勧められました。 彼女はそれを飲みだしてからすごく見やすくなったと言います。
ブルーベリーは目に良いのは知っていたのですが、少し値段が高くてどうしようか迷っています。 私のような症状の場合、効果がありますか。他に何か、目に良い食べ物がありますか。教えてください。(40歳女性)
大変よい質問ですが、難しい質問です。お話からすると、比較的軽い遠視だったのではないかと思います。目の調節力は、成人以降次第に低下しますので、「遠くも近くも見えにくい」 という具合になってしまったかと想像します。
まずは、眼科に行って正しく診断してもらうことが必要と思います。目に良い食べ物としてのブルーベリーですが、抗酸化物質の ポリフェノールの中のアントシアニンという物質が多く含まれています。これが目に良い理由ですが、医学的にエビデンスが確立しているとは言えない、即ち日常で人の目に効果が あるかわからないと思います。最近では、同じアントシアニンが含まれているものでもカシスのほうが良いという説もあります。有名な眼科医の受け売りですが、目に良い食べ物を考える より、体に良い食べ物を考えるほうがよさそうです。
抗加齢医学として考えると、抗酸化物質は良さそうです。最近ではポリフェノールの中のレスベラトロールという物質が良いそうで、 ピーナッツの皮や赤ワインに多く含まれているとのことです。失明原因としての上位を占める加齢黄斑変性の予防にはルテインやアスタキサンチンが有効とされています。また、ビタミン A、C、Eも重要とされています。しかし体に良い食べものがどれかを医学的エビデンスとして確立するには、検討項目が多すぎて単純にこれが良いと結論しにくいと思います。
健康食品としての何らかの商品を探すより、毎日野菜とフルーツを摂取することがよいことは明白と思いますし、私自身はそのように患者さんに説明しています。ただし、果糖の取り過ぎには注意が必要です。
2022年11月