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症例詳細

No.14  レーシックって何ですか

芸能人やスポーツ選手などで近視のレーザー手術を受けた方のお話を耳にします。レーシックというものらしいです。私自身も、かなりの近視なのですが、手術を受けたほうが よいでしょうか。

普段は、使い捨てソフトコンタクトレンズを使っていてよく見えるのですが、時々購入しなくてはなりませんし、はめはずしが面倒です。眼鏡はなるべく 掛けたくありません。また、子供(13歳)も近視で今回コンタクトレンズを作ったのですが、子供でも手術が可能でしょうか。(42歳女性)

屈折矯正手術とは、近視や遠視、乱視などの屈折異常を治す手術の総称です。レーシックというのは、屈折矯正手術のうちレーザーで行う手術の中心で、1999年に、プロゴルファーのタイガーウッズ氏が受けて以来、日本でもかなり有名になってきました。レーシックは、何らかの方法で角膜上皮を剝いでおき、角膜実質をレーザーで削って、角膜屈折力を変えるものです。短時間で終わり、両眼同時期に手術が可能です。入院の必要もありません。

ただこの手術の適応となるのは20歳以上で視力が安定していること、その他いくつかの基準が設けられています。したがって、お子さんには適応になりません。また、国民健康保険は使えませんので、手術前の診察から手術、手術後の経過観察まですべてが自費の診療になります。日本でこの手術が認可されたのは2006年の話で、すでに日本でも年間数十万件行われていたようです。2022年現在では少し下火になってきていると思います。短時間で済みますし、実績もありますから、コンタクトレンズ(以下CLと略す)装用で問題がある場合には、ICL(有水晶体眼内レンズ手術)という別の観血治療を検討してはいかがでしょうか。ICLができない場合には、レーシックを一度考えてもよいかと思います。

ただ、やはり手術ですから頻度は少ないですが合併症はあります。長期経過後の合併症もありますので、くれぐれも慎重に考えてください。また施術施設の選択はとても重要です。手術の合併症については、説明会を利用して、手術を担当してくれるドクター個人の経験年数と、レーシック手術のみでなく他の屈折矯正手術の経験や屈折矯正手術以外の眼科手術の経験も参考にしてください。

最もお勧めの方法は、日頃から診察を受けている眼科専門医から紹介してもらうやり方です。著名な眼科医自身も手術を受けている方がいらっしゃいますので、かなり安全な手術となっていることは事実です。しかし手術治療であることに変わりはありません(術後に元に戻すことはできません)から、CLでの生活に何ら不都合を感じてみえない方にはお勧めしていないのが現状です。