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症例詳細

No.09  結膜下出血(しろめが真っ赤です)

目がちかっとしたような気がして、鏡を見たらしろめが真っ赤になっています。充血しているというより、絵の具を塗ったようにべたっとした赤さです。

今は、痛くもかゆくも ありません。一年前にも同じようになった記憶があるのですが、放っておいてよいでしょうか?(42歳女性)

結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)のようです。これは、結膜の血管が切れて出血するものです。直径1mm程度の大きさの場合もあれば、しろめ全体が真っ赤になり盛り上がるほどの 大きさになる場合もあります。

原因は、多くの場合機械的な刺激で、例えば目を打撲したときや、寝ているときや汗を拭うときなどに目をこすったりするためではないかといわれています。 これ以外に、血液の病気や常用薬(心筋梗塞後や脳梗塞後に血液をサラサラにするお薬など)のために血液が固まりにくくなっている場合に起こり易いです。最近の研究では、 結膜弛緩症(しろめのかわがたるんだ状態)があると結膜下出血が起こり易いといわれます。糖尿病や高血圧などによる血管異常をあげる報告もありますが、全く思い当たることがない 場合もよくあります。

ほとんどの場合、ご質問者のようにしろめが赤い以外には症状はありませんが、時に異物感を生じることがあります。様子を見ていれば1週間程度で消失することが 多いと思いますが、結膜下出血だと思っていたら結膜炎や他の病気の場合もありますので、念のため眼科を受診した方がよいでしょう。頻繁に生じる場合は血液の病気が隠れていることが ありますし、結膜弛緩症がある場合には手術の適応になることがあります。

1年以内に職場検診や市民検診などの健康診断や、内科などを受診して血液検査を受けていない場合には、 全身検査(血液検査や血圧のチェックなど)をお受けになって基礎疾患がないかどうか診てもらうこともお勧めします。