症例詳細
No.176 睫毛乱生症(さかまつげ) (cf 睫毛内反/眼瞼内反)
70歳です。若い時から両目ともさかさまつげがあり、痛くなると眼科に行って抜いてもらっています。自分でも抜きますが、最近抜くのも面倒になってきました。
単に治ってしまうような方法がありませんか。このまま一生眼科通院をしなければならないのでしょうか。 (70歳男)
一口に「さかまつげ」と言われるものにもいくつかの状態があります。まずは、小児に見られる睫毛内反、これはアジア人に多いといわれていますが、まつ毛の生え方が全部角膜に近いものです。重度のものは小児期に手術を受けていると思います。次に、中高齢者に多い眼瞼内反。これは、支持組織のゆるみが原因で瞼が内側に倒れこんでしまう状態です。
若いころは問題の無かった状態が、中年以降に次第に倒れこみがひどくなり、最終的にはまつ毛の大部分が角膜に接触することになり、異物感が強くなっていきます。3つ目が、真の逆さまつ毛(さかまつ毛)です。正確には睫毛乱生症と言われる状態です。これは、何らかの原因で、今までは正常に生えていたまつ毛が、角膜側に方向を変えて生えてしまうものです。基本的には、一部のまつ毛がさかまつ毛の状態になっているものです。眼瞼の腫瘍性病変によるものやケガや手術の後などで起きることが多いです。
一般的にまつ毛は、抜去しても2週間程度で再生し、1カ月程度で長くなって角膜にあたることとなります。つまり抜去後1か月では、また異物感が出現します。1カ月に1回程度であれば、時々眼科に行って抜いてもらうのも当然よいです。ご自分でも上手に抜けるのであれば、よいと思います。
根治療法としては、睫毛電気分解術という毛根破壊術があります。ただし、治癒率が高くありません。私の経験では、50%程度なので10本に施行するとすれば、5本程度は残る計算です。また、レーザー治療で同じように毛根破壊術を行うことができます。まずは、正確に診断してもらい、手術治療について相談してください。
2026年10月