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症例詳細

No.51  斜視の手術は怖くない

以前から、目の向きがおかしいのではないかと家族から言われていました。最近は、目がすごく疲れるようになって、眼科を受診すると、間欠性外斜視という診断でした 。私は、右目が外へ向くように思うのですが、両目とも手術するのがよいと説明されました。両目とも外の筋肉を後ろにずらすそうです。右目が悪いのにどうして両目とも手術するの でしょうか?

30~40分程度と言われましたが、少し痛い場合もあるとのこと、また、手術後に目が赤くなるとのことですが、どんな感じなのでしょうか。しばらくすると、また外斜視が 再発する場合があるともいわれました。手術を受けた方がよいのでしょうか? 手術のトラブルなどもあるかと思うと心配です。(30歳男性)

間欠性外斜視は、斜視の中でも非常に多い形です。整容面で治したいと思っている場合、外斜視になることが多くて複視を自覚する場合、疲労の原因になる場合などには、 手術治療が勧められます。通常は局所麻酔ですが、多少痛みを感じる場合がありますので、年齢的には小学校の高学年にならないと全身麻酔が必要です。

まず、しろめの一番上の皮(結膜) を切開して、眼球を動かしている筋肉を露出します。外斜視では、外側についている筋肉を元の位置から切り離して、斜視の角度に応じて後ろ側にずらして縫合します。 結膜を元通りに縫合すれば終了です。水平方向の眼の運動を制御している筋肉は外側と内側の二つがあります(外直筋と内直筋)。間欠性外斜視の場合には、両眼の外直筋を後ろにずらす 場合と、片眼の外直筋を後ろにずらしかつ内直筋を内側にずらす場合とがあります。これは、外斜視の種類に基づいて決まります。

いずれにしろ、筋肉をずらすだけですから、数週間 充血することを除けば、それほど心配はありません。ただし、針糸が眼球を穿孔してしまったり、縫合糸がすぐに切れてしまったり、というような術中術後の合併症がまれにはあります。また、間欠性外斜視の手術後は、子供の場合には再発といいますか戻りが出やすいですが、成人の場合には小児より少ないとされます。

しかし、再手術をしなければならなくなる場合は 多くありませんし、再手術をすることになったとしてもそれほど心配の無いものです。一方、斜視の種類によっては、非常に難しいものや、手術後に別の斜視が出現するものなどもありますから、 手術治療のリスクについては、十分に説明を聞いてからお受けになってください。