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症例詳細

No.13  花粉症の眼病予防

私は、4~5年前から花粉症なのですが、春と秋のこの時期、目がかゆくて涙も出てきて困ります。鼻水や鼻詰まりは少ないほうだと思います。いつもは市販の目薬を使用して、 ひどい場合に眼科を受診します。

カップをつけての洗眼もやってはいるのですが、コンタクトレンズを使っているので毎日はできません。内科の先生から花粉症予防のお薬を もらうこともありますが、目のかゆみが強いです。何か良い予防法はありませんか?(29歳主婦)

ご質問の予防法ですが、これだけでよいというものはありません。まずは、花粉がたくさん飛びだす2週間ぐらい前から抗アレルギー剤の内服や点眼を始めておきます。春ひどい場合には2月初めから、秋の方は夏の終わりころから、教科書的には花粉が飛ぶ2週間前からとなっています。例年の症状の強弱と花粉の量を参考にして、主治医の指示に従ってください。

ご自身の対策としては、花粉症情報を入手して大量に飛散する日には外出を控えてください。やむを得ず外出するときには、マスクとアイガード(保護メガネのこと、眼鏡の上からかけられるタイプもあります)を装着していきます。帰宅後は玄関前で衣服や髪の毛などを払って、家内に花粉を持ち込まないようにします。また、手洗いうがいと共に洗顔してしまうこともできればお勧めです。痒いからといって眼をこすると後から炎症が強くなってしまうので避けましょう。

予防的な抗アレルギーの点眼はとても大切ですが、市販の点眼薬の中には、充血を取る作用のものがあり、長期間連用すると逆に充血しやすくなってしまうので、このタイプのものはお勧めできません。また、ステロイド剤を点眼している場合には、眼圧のチェックが必要です(この疾患Q&A1「花粉症と眼薬」参照)。洗眼については、市販のカップを目にあてて行うものは涙の成分以外の不必要な薬液が入っていることや目の周りの皮膚の細菌などをかえって眼の中に入れてしまう可能性が考えられますのでこれもお勧めしません。

人工涙液(涙の成分以外には不要なものが入っていない点眼薬)をたくさんつけて眼の中に入ってしまったと考えられる花粉を洗い流すことをお勧めします。また、リビングや寝室など長時間いる場所は、花粉などを取り除ける空気清浄機を設置するとよいでしょう。それでも症状が悪化していく場合には、眼科を受診しなおして強い治療に切り替えてもらったり、他に症状を助長させる問題点がないかチェックしたりしてもらいましょう。