症例詳細
No.02 流行り目といわれ困っています。(はやり目と登校禁止)
7歳の子供ですが、目が真っ赤なり、目やにが出ていて眼科を受診しました。人にうつる結膜炎といわれました。登校を禁止されて困っています。
以前にも結膜炎になったことがありますが、すぐ治りましたし登校禁止にはなりませんでした。どうして学校へ行ってはいけないのでしょうか?また、どこが違うのですか?(32歳女性)
人から人にうつる結膜炎は以前から「はやり目」といわれていました。伝染性(人にうつる)の結膜炎には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の3つがあります。 これらの原因は、ウィルスです。
前2者の原因ウィルスはアデノウィルスであり、最近ではアデノウィルス結膜炎と呼ばれるようになってきました。アデノウィルスは、 急性結膜炎の代表的な原因である細菌とは異なり、非常に強い伝染力を持つとともに時に重症な結膜炎を引き起こします。
アデノウィルス結膜炎にかかってしまった患者さんの 涙には大量のアデノウィルスが存在し、乾いた局面でも2週間以上生息して病原性を発揮します。ウィルスの付着したタオルで目をこすったり、ウィルスが付着しているものを 触った手で目をこすったりすると、1週間から10日間の潜伏期を経て、アデノウィルス結膜炎を発症します。
伝染しないようにかなり気をつけていても、家族中で発病したり、 たくさんの患者さんが出て眼科病棟が閉鎖に追い込まれたりすることがあるほど、強い伝染力を持っています。したがってはやり目になってしまった場合には、適切な診断と 治療をしてもらい、許可が出るまでは学校など人の集まるところは避け、自宅療養を続けてください。
2022年04月